光学異性体って?

アモバン NAVI

光学異性体って?

光学異性体とは、いったい何のことでしょうか。
これは、主に有機化学で用いられる用語です。
鏡像関係にある対称的な立体構造を持つ化合物のことを言います。
通常は、化学的な合成によって鏡像関係にある化合物が混ざったラセミ体が生成されます。
ラセミ体から有効な光学異性体のみを分離することによって、効果が高まったり副作用が軽減したり、もしくは少量で効果が見られるために服用量が少なくなったりします。
薬学の世界では、有機化合物の光学異性体の区別が必要になります。
これは、生体を構成する物質に異性体が多かったり、異性体の違いによって生理活性が異なるために必要とされています。
生理活性とは、科学物質が生体の特定の生理的調節機能に対して作用する性質のことです。

簡単に言えば、薬のいいところを抽出した進化系のお薬といったところでしょうか。
例えば、アモバンの光学異性体を取り除いたもので、ルネスタ錠が販売されています。
これは、アモバンの研究ライセンスを購入したセプラコール社が、光学異性体を取り除いて純度を高めた薬で、開発・発売したものです。
ルネスタは、ラセミ体であるゾビクロン(アモバン)から、S体の光学異性体のみを分離した医薬品です。
アモバンよりも薬の効果が増えたために、服用量が減ったのもメリットのひとつです。
アモバンの使用量は、7.5mg~10mgなのに対し、ルネスタは1~3mg(高齢者は2mg)となっています。

また、服用量がかなり減ったことにより、唾液に分泌される量を減少させることが可能になりましたので、苦味をできるだけなくす開発に努めたということでしょう。
アモバンは良薬でありながら、人気がいまいち上がらない理由として、苦味が原因となっているからです。
結果はというと、残念ながらすべて苦味がなくなったわけではありません。
しかし、軽減はされましたので、アモバンよりも使いやすくなったと言えます。
また、アモバンの半減期が4時間で、ルネスタ錠は5時間と長くなっています。
これも、中途覚醒の際に効果がある時間が増加しましたので、睡眠薬としては良薬ではないでしょうか。